「本音」
小学5年Мくん
今回は、5回の作文講座を振り返った。僕は、毎回通った。宿題も毎回しっかりやった。さらに新聞まで買いに行った。これらのことは、すべて当たり前のことだ。
5回の講座で、僕は作文で本音が書けるようになった。今まではみんなが考えそうなふつうのことを書いていた。例えば運動会の感想は
「負けてくやしかった。」
などというふうに書いていた。これは、自分の気持ちではない。みんなが考えるように平均的なことだ。実際この時の自分は、
「力不足だからしょうがない。別に悔しくはない。自分が悪いのだから。」
と思っていた。
5回の作文を読み返してみると、本音ばかり書いていた。
ふだん僕は本音を言うことはない。友達と話すときも今までの作文と同じように、みんなが言うようなことを言っている。
なぜ本音を言ったり書かないかというと、考え方がふつうとは違うと感じるからだ。
例えば、運動会で負けて泣いている友達に
「しょうがない」
なんてことを言ったら関係がむちゃくちゃになってしまう。
こんな僕が本音を書けるようになったのはなぜなのか。
これは、変な理由かもしれないが、作文講座の先生がまったく知らない人だったからだ。
僕は、初対面の人の前では本音をベラベラいう。なぜなら自分のことを相手はよく知らないからだ。
だが、どんどんと関係が深まってくると、本音をふういんしてしまう。
だから、この作文講座でもどんどん本音が言えない自分になってしまうかもしれない。
この作文講座で1回も休まず、さらにすべて本音を言っているなんて僕にしてはめずらしすぎる。
そこまでできたのは、先生の教え方がいいからなのか、それとも僕が初めて心を開いたのか、もしくはその両方かもしれない。