南浦和駅で車いすに乗った話
ひざが痛くて歩くのが辛い
ひざに水がたまり、歩くのが困難に。
こんなはずじゃなかったのに、かなり不自由です。ところが、東浦和から赤羽まで行かねばならない。
できるだけ歩く距離を短くする計画を立てました。
まずは、仕方がないので、自宅から南浦和駅までタクシー。なんと言っても南浦和乗り換えが至難の業。普通の状態でさえ、暑さで辛いことが予想されます。
というわけで、タクシーを使って南浦和駅に行きました。
タクシーを降りるとすぐのところにエレベーターがあり、利用。改札は2階です。
問題は、2階の改札から1階のホームへ降り、赤羽でなるべく歩かない5号車のあたりで乗りたい。
ここで、付き添ってくれた家族が提案してくれました。
「介助してもらおう」
え?私が介助してもらうの?それって申し訳ないんじゃないか?
しかし、ホームへ降りるための手段はふたつ
- 目の前の階段を下りる(エスカレーター無し)
- 遠くまで歩いてエレベーターかエスカレーターに乗る(だいたい同じ場所)
どちらも今の自分にとって歩くことが辛い。
ものは試しと介助をお願いしてみました。
車いすに乗るまで
手続きが意外と長かったです。聞かれたのは
- 南浦和からどこに行くか
- どういう程度の介助が必要か(車いすか、ホームまでか、電車の中までか等)
- 赤羽に着いたら介助がいるか
主にこのようなことなのですが、「どこまで車いすで行くか」という質問が分かりにくかったです。駅で車いすを使ったことがないので、イメージができない。
ホームまでと電車までというのは、どういう違いがあるのか?
暑さの中、瞬時に判断ができませんでした。
車いすはすぐ持ってきて下さったので、座れたのですが、これらの打ち合わせで15分以上改札前にいることになりました。
これが暑い。
そして、無線で、どういう人間がどういう道を通って、どの電車の何号車に乗るのか、報告していました。
電車もすぐに調べてくれて、15分後の南浦和始発を勧められました。
面白かったのが、介助の人の特徴。名前を聞くわけにいかないだろうから、特徴を伝えるのだけど、まず、特徴をつかむために私をしっかり見て、メモしていました。
そして、無線で「介助者の特徴ですが・・・」と言ったら後ろを向いて私に聞こえないように報告していました。
何て報告したんだろう?服の色、年代、髪型とかでしょうか?
駅の中を車いすで進む
やっと、進みました。点字ブロックを仕方なく踏んでしまうので、ガタガタすると予告してくれたり、エレベーターに乗る時、反対側が開くことを前もって教えてくれたり、とても丁寧に対応してくれました。
しかし、駅の通路を車いすで進む気持ちは、今まで感じたことがないものでした。
思わず、笑っちゃいました。
なぜか、ふふふ、と笑っちゃう気分でした。真面目な顔して乗っていればよかったのか?
健康な自分が車いすに乗っていること、後ろから押してもらっていることがホントに?と信じられない。
前から来る人の視線を結構感じます。恥ずかしさ、あります。
低い視線になることが、こんなに不自然なのか、という驚き。

左足が痛いので少し浮いている。暑いのでタオルが離せない
車いす体験は学校などあるけれど、実際の駅で乗ってみるのは体験では感じられない気持ちだと思います。
いろいろな気持ちが湧いてきて、恥ずかしいのか、可笑しいのか、申し訳ないのか、分からない気持ちになりました。
いろいろな気持ちが、「ふふふ」になったのかもしれません。
ホームへ着いたら
さて、エレベーターを無事降りてホームに着きました。予定では、赤羽駅でも降りるときに介助してもらえる、となっていました。
ところが、無線が入り、
「人員が足りず、赤羽駅の介助は15分後出発の電車でないとできないのですが・・・」という提案が。
あと5分ほどで最初に乗る予定だった南浦和始発の電車が来る。しかし提案では、15分待つ。
この暑い中、待つ方が苦痛、と判断し、赤羽の介助はお断りしました。
赤羽で介助してもらっていたら、かなり楽だったのに、暑さを考えると歩いた方がまし、でした。
2号車のあたりで係員の方と別れました。本当にありがとうございました!
と思ったのも束の間。
5号車まで車いすで連れて行ってもらえばよかった!
こんなところが、慣れていないので、判断できないところです。幸い、すいていたので、涼しい車内を2号車から5号車までゆっくり歩けました。
赤羽駅にて
赤羽は混んでいます。5号車まで進めていたので、すぐにエスカレーターに乗れました。
本屋さんの横を通り、改札に出るには短い階段があります。しかし、赤羽は短いながらもエスカレーターがある。
いつもは、「この短いエスカレーター、私は使わない。必要ない。もったいないんじゃない?」と思いながら階段を使っていました。
改めます。
この短いエスカレーターがあったからこそ、改札を出られました。ありがとう(涙)
必要な人がいるから設置されているのですね。
今回の経験から
駅で介助を受けられるとは思っていなかったので、驚きでした。
普通に駅の通路を闊歩している人でも、ケガをしたり、病気になったりで、歩けなくなることがあります。
歩けなくても、私のように電車で移動せざるを得ない時がある。
そんな時、このサービスは貴重だと思いました。
ただ、人員不足で今回のように予定外のことも起こりえます。
車いすで電車に乗る方を今まで見てきましたが、予想以上に大変だと感じました。手続きは、いろいろあるようですが、時間がかかるし、申し込む手間もあるでしょう。
視線も痛い。
私は見ているつもりはなかったけれど、車いすに乗った時は、普通の視線がとても気になりました。
バリアフリーという言葉、重く感じたできごとでした。
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