「面白かったです」しか感想が書けない。どうすればいい?

「面白かったです」

感想を書きなさいと言われると、必ず最後にこの言葉。

面白かった以外に、感想はないのか?

横で見ているとイライラしてしまうことはありませんか?

 

面白い、しか書けない事情があります。

 

どうやって「感想」を書けばいいのか分からない

読書感想文でありがちな、最後にひと言「面白かったです」の締めですが、感想文の場合は、だいたいが原稿用紙3枚。普通の日記とはわけが違います。量が多いです。この量を埋めるために試行錯誤するのですが、思いつかない!だからあらすじ的なことを書いて最後に「面白かった」と締める。

締めざるを得ないのは、「書き方」を知らないのです。

また、社会科見学やちょっとした行事の感想を書かなければいけない時、見たことや聞いたことを取りあえず書いて、自分の考えを書く欄があったりするけれど、感想?面白かったよね、となりがちです。

これも、書き方を知らない、ということもありますが、どういう書き方がいいのか、どんな感想をみんなが書いているのか、知らないという状況もあります。

 

友だちの作文や感想を知らない

見本がないわけです。

見本があれば「なるほど、こういう風に書けばいいのか、これなら書けそう」となります。

同じクラスの友達の作文や感想を聞いたことがない子が多いですが、いかがですか?

 

先生が見本を示してくれる時もあります。でも、その見本は「優等生」向きのものが多いです。こういう見本だと「こんな難しいのは書けない、自分はこんなまじめな人間じゃないし.…」とあきらめの気持ちになります。

教科書の見本もそう。自分で書ける気がしないものが多い。

 

気持ちを出して大丈夫か不安

「面白かった」しか書かない理由で考えられる他の原因もあります。こんなことをかいて怒られないかな?変な目で見られないかな?です。

子ども達は、学校という社会で生き抜くことに必死です。

目立つことをすれば、やり玉にあげられるのはもちろん、友だちとの関係も危うくなることも予想しています。

本当に思ったことを書いて、クラスの問題になってしまい、それ以降、当たり障りのないことしか書けなくなってしまった子もいます。

ですから、先生やクラスで問題にならないか、を考えていくと「面白かった」しか書けない状況がある、とも言えます。

 

 

全部出す経験があるとコントロールできる

子ども達と作文を書くときに確認することがあります。

これって、学校に出す?

出す場合は、

これを書いちゃって大丈夫?

です。

ダメな場合はやめておきます。学校に出す作文で、書いていいことと悪いことは子ども達は自分で分かっています。

ただ、学校に喜ばれることだけを書いていると自分の本当の気持ちがどこにあるか分からなくなります。

自分は何を感じ、どう思っているのか

必ず自覚している必要があります。

これから、何十年も生きていく時に、必要になるのは、自分の気持ち、それも本当に思っていることです。誰の影響も受けず、自分はどうなのか、ということを自覚できていないと、「折れます」。

 

ですから、いったんは、自分の気持ちをすべて出して書くことが大切です。出せるようになると、上記の会話が生まれます。

学校に出す作品も書ければ、自分の本当の気持ちも書ける、そんな二刀流の作文を子ども達は自然に書けるようになっていきます。

 

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