作文で子どもの自殺をゼロにします
子ども達はさまざまな問題を抱えています。
時として自殺を招いてしまう悲劇。そんなニュースに接するたび悲しくなります。
子どもたちは問題を抱えると何らかの「行動」を起こします。
それが、「問題行動」と言われます。
子どもたちの問題行動の原因は、自分はそのままでよいという「自己肯定感」が欠如していること、
自分の感情をうまく表現できないこと、この2点があげられます。
自殺に結びつく、問題行動を減らすには、
自分を認め、気持ちを表現できる場所をつくることが大切だと考えます。
私は、作文を書くことを通して、子ども達の自殺をゼロにする!という信念を持っています。
気持ちを表現できる場がない子ども達
子ども達、特に小学生は辛い思いを抱えていることが多くあります。
「あやしい」行動をする時は、何らかの問題があるときです。
12年間ピアノのマンツーマンレッスンをしていますが、
問題を抱えている時はレッスンが進みません。
話を聞き出してみると、親に言えず、友達にも言えない悩みがあります。
とくに、子どもは、
「こんなこと言ったらママとパパは悲しむ」と思うことは絶対言いません。
「子どもだから悩みはない」ということはありません。
じゃあ、友達に話すかといったら、映画は一緒に見に行くけど、
自分が抱えている悩みの相談まで話せるわけではありません。
中学生になって、携帯電話を持ち、SNSで交流できるようになると
悩みを吐き出せる場所が見つかる場合があります。(携帯の良し悪しは別として)
ですから、小学生は、悩みがあっても言える場所が案外ないのが実情です。
それに、「悩み」と自覚していない場合もあります。
何だか分からないけれど、変な気持ちとか、
ピアノの練習をする気になれないとか、
いつもと違う変な行動の原因を自分で探ろうという気持ちにまでなれないのです。
作文は自分を表現できる場所
私は、小学生のころから何か辛いことがあったり、どうしていいか分からないことがあったとき、ノートに思うことを書いていました。
「アンネの日記」のアンネフランクも、ユダヤ人虐待から逃れるため隠れ家で暮らす苦悩をノートに書きつづっていました。
ひとは、思いを言葉に表現することで解決できます。
解決まで行かずとも、気持ちがすっきり整理される感覚を味わえます。
ところが、今の子ども達、特に小学生は「思いを言葉にする」という習慣がある子が少ないです。
親にも言えない、友達にも言えない
そんな時、だれにも見せない秘密の作文ノートがあればいいのに。
「文字に書くことですっきりするよ」、と子ども達に伝えたい。
「岩下の前では何でも言っていいんだよ」
集団の講座でも、個別の講座でも、必ず子どもたちに伝えます。
この教室は、学校じゃないから自分の中の言葉を全部出してね。
間違いはひとつもない。
もし、学校で書いたら怒られるような言葉が浮かんでも、
それは本当に思ったことだからちゃんと書くこと。
例えば、「きらい」「分からない」「いやだ」
そんな言葉だって、自分が思ったことならそれが正解。
ただし、学校に出したり、だれかに見せなきゃいけない場合はちょっと気を付けるけどね。
この言葉を聞いて、目をまん丸くして驚く子どもがたくさんいます。
「えーーーー!嫌いとか、いやなことも書いていいんだ!!!」
それでも、マイナスの言葉を書く子は少ないですよ(^^)
書く時もありますが。
マイナスの言葉を書いていい場所、と理解することで
安心して自分の気持ちを出せるようになります。
こんな子がいました。
「これをさ、作文に書いたら絶対怒られると思うんだよね」
ボソッと言うのです。
どうしてか聞くと
「先生に呼び出されてどうしてこんなこと起きたのか、とかしつこく聞かれるし」
以前、正直に作文に書いたことで先生に呼び出され、
クラスの大問題に発展してしまったことがあるそうです。
自分の本当の気持ちを書くと「危険」
そんな概念が植え付けられてしまい、
本当の気持ちにふたをするようになっていました。
ふたを外して、全部書くよう言ったところ、
すごく生き生きした文章が現れました。
これからの世の中は文章を書ける人が仕事ができる人
今の小学生が大人になるときは、今現在より文章を書けるかどうかが
仕事の出来を左右するようになります。
その第一関門が2020年の教育改革です。
センター試験で記述式試験が確実に導入されることになりました。
自分の考えを言葉で書ける人材が必要とされていくのです。
難しそうに思えるけれど、一生使える能力だと私は考えています。
思考力、表現力、判断力を評価するための記述式試験と言っていますが
それらは、生きていくのに必要な能力です。
そして、この3つは作文を勉強することで、確実に身に付くのです。

作文効果