ペットロスを経て子犬を迎えた経緯(いきさつ)

投稿日:2023年8月13日 | 最終更新日:2023年8月15日

テストの問題文にあったペットを亡くした話

塾の国語講師をしていた頃、いろいろな問題文を読みました。その中に、ペット(犬)を亡くして悲しんでいる友達をいたわる話がありました。

でも、その子はペットを亡くしてすぐ、新しい犬を迎えます。悲しいと言っていたのにどうしてすぐに新しい犬を迎えられるのか、その神経が理解できない、とありました。

この話を読んだ時は、私も同じ気持ちでした。

 

予想以上に辛かったペットロス

我が家では、2000年の秋のはじめ、家族で初めて迎えたボクサー犬を10才で亡くしました。亡くなる少し前から具合が悪かったのですが、まさか死んでしまうとは思えず、死んでしまったその時の悲しさは予想以上でした。

お葬式を済ませ、いつも犬が使っていたハウスや道具を片付ける作業の辛かったこと。心にも家にもぽっかり穴があきました。

それまで、犬中心の生活で、朝起きて犬の世話、夜寝る前も犬の世話

それが、全くなくなり、生活が一変しました。20キロ以上の犬を抱いて、階段を上がり降りし、散歩をしていたのが「ゼロ」になり、上半身の筋肉が一気に落ちました。

休日にやることがなく、行くところがなく、話す内容もなく、今までいかに犬中心だったかを思い知らされました。

最期の辛さを思うと、もう、犬を飼う気持ちになりませんでした。

亡くなる3カ月くらい前 ボクサー犬リキと

行くところがなくてペットショップ

ところが、休日に行くところがなく、ドライブしているとペットショップが目に入る。「犬を見に行こうか」ということになり、何度もペットショップに行っていました。

ペットショップによっては、買う(飼う)気がないお客にも社会化のため、抱かせてくれるところがあります。

「もう飼わない」と思う気持ちがありつつ、犬を見に行っていました。

 

犬がいない生活

正直、楽です。留守にするとき、エアコンをつけなくてもいいし、出掛ける前に留守番に耐えられるようご飯の時間を調整したり、トイレを済ませたりすることもありません。

犬の世話がないので、普段から自分の時間や仕事の時間が多く取れます。

旅行をするにも犬の持ち物は必要ありません。

そんな生活が2年以上続きました。

 

もう飼わないはずだったのに

最初に紹介したテストの問題文、犬を亡くしたのにすぐ子犬を迎えられる感覚。

多分、犬を飼い続けている人は分かるのだと思います。

「ペットロスを乗りこえるには新しい犬を迎えることだよ」

多くの犬友だちが言っていました。

 

あの最期の辛さがどうしても思い出されて、一歩を踏み出す気になりません。新しい「命」を迎えて、ともに10年以上過ごす覚悟はあるのか。

ない。

 

犬の会話が増えた

だんだん、家族が「犬を飼いたい」と言い始めました。「新しい犬を飼う」ことに気持ちが傾いているのが分かりました。でも、エサ代、光熱費、医療費、その他もろもろ、犬がいない時期にはゼロだった費用が発生します。

前の犬を迎えた時は、10才以上若かったけれど、今、最期まで見届ける体力はあるか?

そして、新しい犬と今までの犬を比べないか、「やっぱり前の犬の方がいい」という気持ちはよくない。

そんな会話が増えました。リスクを挙げているのに、「犬を迎える」という前提になっていました。リスクをすべて挙げつくしたと思います。

 

自分たちの犬を飼うとしたら、体力的に最後の時期かもしれない、という話になりました。今、50代半ば。子犬の時期が一番運動量が多く、しつけなど手を掛けることが多い。

60代になってしまったら、費用的には楽かもしれないけれど、体力的に私たちには無理かもしれない。できる方もいらっしゃいますが、私たちが飼うとしたら、10キロ以上の犬がいい。そうなると、ある程度力がある犬を制御できなければならない。

 

前の犬は本当に良い子でかわいくて、優しくて、頭がよく、大大大好きでした。ボクサーという犬種がそういう性質を持っているので、もう一度ボクサー犬、という気持ちがありました。ボクサー犬は本当にかわいい。賢くて面白い。伴侶犬というにふさわしい犬です。

でも、比べてしまう可能性が高い。もちろん、前より良い場合もありますが、同じボクサーなのに、前の犬はできて、今度の犬はできない、という気持ちになるのは犬にとってもよくないし、私たちも言いたくない。

 

そして、約30キロの大型犬は、私がもう引けません。手の力が落ちてしまったため、リードで制御するのが無理だからです。

残念ながらボクサー犬の選択肢は消えました。

こんな話題をするうちに、「犬を飼う」という機運が盛り上がっていき、逆に「犬がいない生活の卒業」が見えてきました。

 

ちょっと様子を見に行くかで決定

どんな犬種がいて、どんなブリーダーがいるか調べていきました。「じゃあ、ブリーダーがどんな人か見に行くだけでも行ってみるか」という話になりました。

ブリーダーの考え方や、犬舎の様子、成犬の様子を見ました。

一番は、成犬を見ることです。大人になったらどのくらいの大きさで、どんな感じの犬になるか、見ておくのが大事だと思うからです。

子犬を見たら終わりです。子犬はすべてかわいい! 見たら、かわいくて連れて帰りたくなります。

まあ、ここに来るのも最後かもしれないし、子犬がいるっていうから、見るだけでも見せてくださいとお願いしたのが運の尽き。

 

翌日に予約の電話を入れました。

 

子犬を見てしまったらダメです。

それでも、ブリーダーがしっかりしていて、犬の説明をきちんとしてくれて、こちらの状況、今までの犬歴も聞いてくれたこと、安心できるところであること。成犬を実際に見て、これなら一緒に暮らしていかれそう、と一晩考えて下した判断です。

こんな可愛い子を見たらイチコロです

結局、家族のワナにハマったんですね。「ちょっと見に行ってみるか」は「相性が良い犬だったら決める」だったのです。

こうしてジャーマンピンシャーのポチを新しい家族として迎えることになりました。

(つづく)

 

 

つづきはこちら

ペットロスを経て新しい犬が来てからのこと。比べて、訓練して、子どもを見る目に役立つ

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