同じ題材でもひとりひとり違った作文が書けるわけ~SRカルチャーの講座~
子どもの本音を言葉に変換!
感じて考えて書ける子に
岩下作文教室 岩下春江です。
今日は、埼玉高速鉄道SRカルチャーでの第一回の講座でした。
私のいちばん基本の講座。
「えんぴつを持つ前にやることがある。見てさわって感じてる?
~自分の思いを引き出す練習をしよう~」
子ども達に「あるもの」を触ったり見たりさせて
それについて自分の中に浮かんだ言葉を書いていく
というものです。
この講座で仕上げる作文は、全員同じ決まり文句を使っています。
「先生が『ふくろに手を入れて』と言った」
「やっと見ることができた」
「私はこれに名まえをつける」
「なぜなら・・・・・だからだ」
生徒さんや時間に応じて書き出し文を変えますが、だいたいこのパターンです。
このパターンを全員が使うけれど、仕上がる作文は全く違うのです。
▼小6 Tさんの作品の出だし。
袋に手を入れることが楽しみな子と、ドキドキの子がいます。
Tさんは「もし」という言葉を使うことで、「楽しみ」の部分をふくらませました。
自分の中に「楽しそう」という気持ちと同時に「生き物だったら」という言葉も浮かんだことを
のがさなかったのですね。
この場面で「もし~だったら」と付け加えた子は初めてです!
その後もどんどん自由に書いていき、今度は袋に虫やトカゲが入っていてほしい
とまで書きました(^^)
続きがおもしろいんですが、虫やトカゲは無理でしょうと。なぜなら女の先生だから虫は触れないだろうから。
だったら自分で持ってきたいと。
いや、持ち込みは禁止だからと言いましたが、Tさんは、言いたいことがいっぱい湧いてきて
それを吐き出せたんでしょうね。
ネーミングが秀逸だったのは、小3のIくん。
「てつばさみ」
見た目とバッチリ合ってます。
少し、消した形跡もあったので、もしかしたら他の案もあったかもしれません。
こんな風に、同じものを作文にしても全く違うものに仕上がるのは
子ども自身が自分の言葉を引き出しているから。
なぜ、自分の言葉を自分で引き出せるかと言ったら、一生懸命、自分の中を探そうとするから。
そして、引き出せなかったら、その子が言うだろう言葉が私の中に浮かんでくるから。
これ、不思議なんですけど、子ども達と話していると、
「この子はこの言葉を使うな」
「こんな言い回し好きそうだな」
ということが自然に浮かんできます。
でも、子どもに私の言葉は押し付けません。
「こういうのどう?」とか
「〇〇と△△だったら、どっちがいい?」とか
提案します。
納得できない顔はすぐ分かるので、
方向転換をして違う言葉を探します。
ですから、岩下が提案した言葉であっても、決めて選ぶのは、その子です。
言葉を決めて選ぶのも大切なことです。
つまり、「自分が書いた作文」であり、「岩下に書かされた作文」ではないのです。
▼これが本日のお題の「てつばさみ」
なんのことはない、100均のせんたくばさみです(^^)
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