読書感想文の下書き ちょっとしたコツ
書けないことに子ども自身が罪悪感を持っている
「原稿用紙3枚を埋める感想文の書き方講座」を受講して下さった生徒さんは、今までひとりでは上手く書けなくて悩んでいたと話してくれました。
親は子どもに「書かせなきゃ」とか「どうして書けないの?」とかイライラしがちですが、いちばん悩んで辛いのは子どもです。
この生徒さんは、今まで親に手伝ってもらっていたことに罪悪感を持っていて、今年こそは自分ひとりで書きたい!と強い気持ちを持っていました。
「何を書いていいか分からない」も、子ども達が多く言う言葉です。
だから、親はいろいろな声がけをして、子どもから何とか言葉を引き出そうとするけれど、なかなか出ない。
ところが、講座を受けて、子ども達はちょっとしたコツでどんどん書けるようになっていきます。
この生徒さんも、作文用紙(当教室オリジナルのもの)5枚以上書きました。
なぜ書けないか?
書くことが浮かばないのではなくて出てこないだけなのです。
私は、子ども達にたくさん質問をします。え?こんなこと関係あるの?ということも、とことん質問します。
そうすることで、ちょっと出た言葉が、次の言葉をひきずるようにして、芋づる式にたくさん出てきます。
それは、たくさん出ます。
ですから、書くことがない、のではなくて出てこないだけです。
自分の中に浮かんだ気持ちを自覚できていないから書けない、とも言えます。
たくさん出た言葉をどうまとめるか?失敗する理由は?
たくさんの言葉が出てくるようになれば、しめたものです。
今度は、それを整理しなければ作品になりません。
子ども達は早く書きたいがために清書用の原稿用紙に直接書き始めます。
誰しも子どもの頃はそんな経験があるはず。
私自身も直接原稿用紙に書いて失敗したことは一度や二度ではありません。
仕上がったとしても「できの悪い作品」。
自己嫌悪をたくさん積んで提出してきました。悪い思い出しかありません。
やはり、提出するものは自分で満足できるものにしたいものです。
結局、「急がば回れ」で量を書くしかない
そのために感想文は下書き→清書が必要です。
急がば回れなのです。
やってみると下書きで自由に書いていく方が結果的に早く仕上がったりします。
ただ、文字量が倍になるので時間はかかりますし、疲れます。
疲れるのは頭ではなく「手や腕」で運動によるものなので精神的苦痛は少ないです。
さて、下書きを終えて読み返してみると
・削りたい
・増やしたい
・書き直したい
色々な訂正をしたくなります。
しかし、下書きを最初から続けて書いているので、行の横に小さく書きこんでいくしかできなくなります。
大幅な訂正はやりにくい。
そこで私は考えた。
私がおすすめする感想文の構成は三つ。
1 本をえらんだ理由(初めの内容)
2 読みおわって心に残った言葉(真ん中の内容)
3 自分の経験(まとめの内容)
まとまりごとに用紙を替えていく
1,2,3と、用紙を変えていくのです。
例えば、【1.本をえらんだ理由】を書き始めました。
2枚目の途中で取りあえず書き終わりました。
次は【2.読みおわって心に残った言葉】を書くのですが
2枚目の途中から書くのではなく、紙を変えて3枚目から書くのです。
そうすることで、【1.本をえらんだ理由】を増やした方が良ければ、余った2枚目の途中から書き始めればいいですし
削ったとしても、紙を変えているので 【2.読みおわって心に残った言葉】の文字数には影響が及びません。
同じように【3.自分の経験】を書く時も新しい紙を用意して1行目から書いていきます。
そうすることで、だいたいの文字数が分かり、大幅な訂正が生じた時も直しやすくなります。
<下書きはまとまりごとに紙を替える>
ちょっとしたコツですがやってみる価値はありますよ。
参考
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