子どもにとって過去を振り返るのは難しい。でも過去の作文に挑戦!~冬休みの思い出の作品集~

投稿日:2017年1月28日 | 最終更新日:2017年4月20日

子どもの本音を言葉に変換!

感じて考えて書ける子に

岩下作文教室 岩下春江です。

 

子どもにとって、過去の作文は難しい、というのが私の見解です。

過去の作文って?

 

日記:1日を振り返る

今朝の朝食:書いている時間は朝食が終わってから→過去

行事の思い出:書いている時間は行事が終わってから→過去

家族の紹介:書いている今、家族ってどういう人かな~と思い出す→過去

 

こう考えると、「作文」というものはほとんどが過去を書くものです。

なぜ、過去が難しいかというと、

「思い出す」という行為が子どもにとっては難しい行為です。

なぜなら、子どもは「今」を生きる生物だからです。

 

例えば、後先考えず遊び過ぎて、玄関でそのまま寝てしまったとか・・・

 

ありませんか?

 

 

では反対に「今」の作文って何?

と言われれば、

「今感じていること」を書く作文、と答えます。

岩下作文教室の基本の講座です。

 

 

さて、基本の講座を受講し、自分の気持ちを言葉にすることに慣れてきた子ども達に

過去の作文に挑戦してもらいました。

①出来事の箇条書き

②ひとこと感想

③ピックアップ

その様子はこちらです。→→

 

※以下の作文はウエブ上で読みやすくするため内容を変えず、漢字変換、改行、空白挿入をしてあります。

冬休みさいごの日は なにした?-つかれたけどうれし~~-

小3男子

ぼくは、冬休みれんぞくで3時間半 友だちとあそんだ。

いつもは3時間だけど こんかい、3時間半で、

いつも4人だけど6人でサッカーや、ふやしおにをした。

空は、うすい青。雲ひとつない。いつもより てんきがいいから

5ばいくらいたのしくなる。

にんずうもおおいから、一つのあそびが、長くかんじて たのしくなる。

1年生から4年生と しらないこもいたけど その日は けんかも、

はなしあいもなく、だれかが あそびたいあそびをいうと、

みんな、さんせいした。

つかれたけど にんずうがおおいし、時間が長いし、

てんきがいいし、冬休みさいごの日だから、うれしかった。

260文字

 

数字は説得力があります。

3時間が3時間半では大して変わらない、というのが大人の考えですが、

子どもにとっては、大違いなんだな、と分かります。

「とても」でなく、「5倍」楽しいと書くことで、印象に残ります。

「空は、うすい青~」のくだりは箇条書きの言葉を使いました。

景色の描写が、楽しさを想像させますよね。

素直な気持ちが表れているな~と感じました(^^)

 

小学校生活最後の冬休み~楽しかった!~

小6男子

12月25日 友だちの家でクリスマスパーティーをした。

1人 時間におくれたけど、7人そろって始めることができた。

みんなでゲームをしたり、プレゼントこうかんをした。

外に出て 身体も うごかして遊んだ。

昼食を食べた後に 友だち手づくりのケーキを食べた。すごくおいしかった。

その後も夕方まで遊び続けた。はじめてこんな長い時間遊んだ。

ここまで書いて事実の羅列で面白くないことに気付く

この日いっしょにすごした友だちは 保育所からの友だちだ。

一番楽しかったことを深く考え直したら、友達だと気付いた

数えると12年間ずっといっしょに過ごしてきていた。

保育所時代の思い出話をして盛り上がっていた。

保育所でおいかけっこをしていたときのことを思い出して

「おまえ あのとき おしただろ」

「いや、おしてないから。」

会話文は生き生きと思い出をよみがえらせる

「じゃあ勝負して勝った方が正しい」ということで

2人は 太鼓の達人で勝負をはじめた。

勝負が終わるとまた保育所時代の話にもどった。

4月になると中学に行ってしまい あまり会えなくなるから

最後は楽しもうと思って楽しんだ。

389文字

「長い付き合い」ではなく「12年間」と数字で言うことで、

ここでも説得力が増しています。

保育所時代の言い合いが復活して、その勝負を小6になってやった。

それも太鼓の達人で勝負をつけた、というところの面白さ。

そして、この友だちと集まれるのは最後だという、ちょっと切ない気持ち。

この2つを言葉にするのには、もう少し修業が必要です。

私も、ちゃんと指導せねば、と気持ちを新たにしました。

だけど、思春期にさしかかった男の子がここまで素直に書けるなんて、

私は、良い育ち方をしたんだな、と感心しました。

 

 

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