祝!新聞投稿掲載!~原稿用紙の呪縛を解いた生徒さん~
投稿日:2018年1月28日 | 最終更新日:2021年7月19日
子どもの本音を言葉に変換
感じて考えて書ける子に
岩下作文教育研究所 岩下春江です。
2018年1月28日読売新聞埼玉版「ジュニア文芸」掲載
数日前、読売新聞埼玉支局から電話がありました。
「生徒さんの作文を掲載します」
氏名、年齢、学校名などが間違っていないかの確認でした。
本人の保護者に了承を取ってあるので自宅に連絡してもらいました。
通常は、自分で応募ですが、慣れないとなかなかできないものです。
今回は、私がいくつかまとめて応募しました。すべて本人と保護者に了承を取ってからです。
その中で、この作品が選ばれたのか、と感慨深いものがありました。
今までどうして原稿用紙が苦手だったのか、自分を深く見つめることができました。
共感する方も多いのではないでしょうか?
読売新聞2018年1月28日埼玉版「ジュニア文芸」
「原稿用紙のラクガキ」
原稿用紙といえば見るだけでいやだ。なぜなら、自分で考えてその原稿用紙の分だけ書くからだ。ノートは黒板に書かれたことを写すだけだけど、原稿用紙が配られるときは、自分で全部考えなければならない。ぼくは考えるのが苦手だ。
マスはぼくを考えられなくする。マスがあるから文字数が気になる。書いても書いても一まい目が終わらない。
四年生の時、一まい書けという宿題が出た。ぼくは四分の三くらい書いた。提出したら先生が言った。
「はみだすくらい書いている人もいるのに、半分しか書けていない人がいます。」
ぼくはその言葉を聞いてちょっといらっとした。ぼくはがんばったのにだめだと言われている感じがしたからだ。
原稿用紙を見るといつもこのときの事を思い出す。ぼくはだめなんだといわれている気がするから。
ところが今日びっくりする課題が出た。大きな丸を書けと言われたのだ。ぼくは
「え?こんな事書いていいのかな?」と思った。書いているうちに楽しくなってきた。原稿用紙がいやなのは変わらないけれど、やっつけたような気がした。
松伏町 小5 E.Kくん
原稿用紙に大きな丸ってどういうこと?
終わりの方に、「原稿用紙に大きな丸を書け」と言われてびっくりしたとあります。
どういうことかというと、原稿用紙克服の儀式なのです。
子どもたちは、原稿用紙だから、自分の気持ちを文字にできません。
ですから、通常の講座ではオリジナルの作文用紙を使います。
この作文用紙だと、1回の講座で5,6枚は書きます。
自分の気持ちを書いていいという解放感と、原稿用紙では1枚もうまらないのに5枚以上書けるので、達成感を味わえます。
でも、世の中では原稿用紙に書けなければ通用しない部分があります。学校の宿題だけでなく、入試問題もマスがあります。
オリジナル作文用紙で自由に気持ちを書けるようになったら、原稿用紙を克服できるように導きます。
そのための「儀式」として、大きな丸を書かせ、自分の名前を自由に書かせ、
原稿用紙を徹底的に「やっつける」必要があるのです。
最初は書けなかったけど、克服したK君
K君は、小学生カンゼン克服作文講座を受講しています。
基礎講座を修了し、現在応用コースを受講中です。
受講し始めたころは、こんなに書けませんでした。自分の気持ちを出すことをためらうことが多かったのです。
ためらっているのか、出てこないのか、両方なのか、正直分からない部分もありました。
でも、あきらめないで毎回ちゃんとしめきりまでに宿題を提出していました。
最初は、ママにどうやって宿題の作文を書いたらいいか、聞いたこともあったそうです。
そのうち、自分ひとりで宿題ができるようになってきたと感想に書いてくれました。
本当によく頑張りました。
投稿に応募する意味
K君は、まさか採用されるとは思っておらずびっくりしたようです。
学校名が出ることで学校や先生からほめられるといいなあと期待しています。
おとなしいK君が、苦手な作文で認められれば、自信につながります。
子どもたちの多くは、自分に自信を持っていないと感じることが多くあります。
新聞に掲載された、ということは良い作文だから選ばれたのです。
そのことに、大きな自信を持ってほしいと心から願っています。
投稿しても採用されない場合も多いです。今回、数人応募しましたが選ばれなかった子もいます。
でも、選ばれないから意味がない、ということはありません。
まず、最終日曜日に掲載されるはず・・・という期待をもって待ちます。しかし、掲載されなかった。
ほかの子の作品が載っています。採用された作品は良い作品です。自分の作品と比べてどんなところが良かったのか、自然と読みこみます。調べる、と言った方がいいでしょうか。
つまり、なぜ採用されなかったのか、考えながら読むことは、読解力を鍛えるものすごく良い経験になるのです。
私自身も、不採用の時はへこみましたけど、どうして私の作品がだめだったのか、採用された人の作品と比べながら読みました。
そして、納得するのです。採用された作品の良いところが分かるから。
ですから、ぜひ、投稿に挑戦してほしいのです。
「小学生こそ投稿に挑戦しよう!」
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